博多アイデンティティ

日曜日は、シロウさんとなんでんかんでんなデートを敢行した。
なんでんかんでん」とは、金沢にある博多ラーメンの店で、
僕の大好きな、豚骨ラーメンの本場の味だった。

といっても、実は、僕自身、福岡はおろか、
九州にすら行ったことがないのだが、
京都のラーメン屋で一番好きなのは、「博多っ子」というラーメン屋なことから、
僕の頭にある、真の博多ラーメンのイメージは、
京都の博多ラーメンという、若干屈折した
博多観しか持ち合わせていないのが玉に傷だ。

いやはや、しかしながら、
金沢のなんでんかんでんは、京都の博多っ子の、
博多ラーメンっぽい味で、とても好感が持てた。

いやあ、いつか行くぞ。福岡!

とかいう話を、シロウさんとしてたら、
お盆に、シロウさんは、以前、金沢に5年ほど?
住んでいた共通の福岡在住の友人(M)に会いに福岡に行ってきたのだが、
福岡駅について、腹ペコなシロウさんは、その友人Mに、
「ラーメンおいしいとこ教えて?」と聞くと、
「家にソーメンあるから!」と強引にも、
本場の博多ラーメンを却下され、
しまいには「そんなにラーメン食べたいんやったら、
スーパーで買ってきたらいい」とまで言い放つ友人M。

友人Mは、以前、
「金沢のラーメンはラーメンじゃない」とか、
あたかも、三食中二食はこって〜りなラーメンじゃないとなりません的な
博多万歳発言をする人で、
こってり系食品大好物な僕はただただ羨ましいと思ってた。


アイデンティティの力学は、いやはや、面白いもので、
例えば日本人が、国際交流とかの場で、
アメリカ人に日本を説明する段になると、
突然、やったこともない茶道の話を始めたり、
普段考えもしない、武士道、侘びさびの話や、
盆踊りを踊ってみせたりする。

それと、同じような状況かと、
思う節があったのだった。。