水を得た魚

月のおそらく半分くらい月光荘で過ごす日々は、いろんな人と毎晩出会っては別れを繰り返す人生の交差点的なところ。もしも病気にならなかったら、一年くらい働いてみたい場所である。でも、それ以前に、もしも病気にならなかったらそれまで通り、一乗寺から大学へ通っていたので、月光荘には出会わなかったかもしれない。でもでも、それ以前に、病気にならなかったら、大学院まで来ていないかもしれない可能性をも考える。でも、僕のことだから、普通に就職して、三年くらいはたぶん我慢出来るかもしれないが、十中八九、もう耐えられない!ってなって、やはり旅に出ていたろう。まあ、だから遅かれ早かれ、一周まわって月光荘に行き着いていたかもしれない。