原発なんていらない!

こないだ、月光荘で出会った「バッサー」という人物は、建設会社で原発を建設していつつも、同時に、地元の若者の原発反対運動に加担しているという自己矛盾を抱えながら、皮肉にも、世界で初めて原爆が投下された県、広島で暮らしている人だった。

彼いわく、原発は今や日本の電力の30%ほどを占めているらしい。ちょっと気になったので、ガケ書房に寄った時に、RIZINE/http://www.rizine.net/という原発特集が載ったインディーズな雑誌を買ったのだった。
その雑誌の、「原発がなくなっても電気はなくならないのです」という項目のところに、面白いことが書いてあった。

去年は柏崎刈羽原発地震による被害で全7基停止しました。全ての電気を東京に送っておりますが、それでも東京の激しいネオンが消えることはありませんでした。原発が電力の30%をまかなっていると言いますが、それは火力発電所のほとんどを停止させているからだそうです。しかも真夏の最も暑い日中のピーク時のことを言っているのです。原発が産んだ電気の量を火力発電所を7割しか稼働させなくていいそうです。それだけ日本は発電所が余ってます。電気を使うから原発に反対出来ないということはありません。今すぐ原発をやめても困りません。今年は安心して反対しましょう。

いやはや、もっとマシなライター使えよなw


なんて、肝心なデータですら、「誰かが」言ってましたよ調で無責任だと思わないでもないけど、まあ、そのデータに則るならば、納得のいくような気もしないでもないようなあるような・・w



気を取り直して、久々に『デモクラシーナウ!』を見ていたら、ちょうど、原発の話があったので、以下参考までに。けっこう面白かったので、少しでも興味がある人は見てみてほしい。



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http://democracynow.jp/submov/20080716-2

エイモリー・ロビンズ:原子力は気候変動を悪化させる


気候変動の顕在化で一刻も早く対策を迫られる中、クリーンなエネルギーとしてさかんに持ち上げられているのが原子力です。今年前半には原油価格が高騰し、石油輸入からの脱却が急務となる中、ブッシュ大統領もマケイン、オバマ両大統領候補も政策が一致したのは原子力発電の拡大でした。「西側で最も影響力のあるエネルギー問題の思索家」と言われる科学者エイモリー・ロビンズに、この問題について聞きました。


ロビンズによれば、原子力は石油の代替にはなりません。米国では火力発電の主力は石油ではなく石炭ですから、原子力が置き換えるのは石炭です。したがって、安全保障上の利点はありませんが、それでもCO2削減にはよさそうに聞こえます。でも原子力の拡大は、じつは気候変動にも不利だとロビンズは言います。その理由はコストが跳ね上がっていることです。電力消費の効率化やマイクロ発電のような他の温暖化対策に比べてコスト効率が極端に劣るため、より優れた気候対策を差し置いて原子力を拡大することは相対的にマイナスです。


原発がもてはやされているかのように言われるのは、たくみに作られた幻想だとロビンズは言います。原発のコストは風力発電の3倍と、おそろしく不経済なので、民間企業はたとえ補助金がついても原発に投資したがりません。原発を買うのは税金を使う役人だけなのです。


世界全体の原発の能力は2006年に微増しましたが、すべて設備の更新によるものであり、老朽施設の閉鎖が新設を上回ったと言います。原発の能力増は太陽発電よりも少なく、風力の10分の1、マイクロ発電の40分の1でした。この年初めてマイクロ発電が原子力を抜き、世界の発電量の6分の1を占めるようになりました。マイクロ発電が総電力の半分に達する国もあります。世界一原発に熱心な中国でも、2006年末のマイクロ発電の能力は原発の7倍でした。


環境運動家の中にも少数ですが原発推進派がいます。原発はCO2を出さないから、というのが推進の根拠ですが、
ロビンズはそれだけではだめだと言います。CO2を出さない上に、安くて早く実現できるエネルギーが必要なのだと。再生可能エネルギーや省エネはCO2を出さないし、廃熱発電もCO2を出しません。最善の気候対策のためには賢い投資が必要です。年間を通じて有効で、最も経済的な対策は、どうやら身近なところにある省エネ対策のようです。



ゲスト:
 エイモリー・ロビンズ(Amory Lovins)コロラド州NPO「ロッキーマウンテン研究所」の代表。1982年に同研究所を共同設立し、エネルギー・資源問題に関する旺盛な執筆活動をしている。世界8カ国の政府、米国の20の州政府にエネルギー政策を提言してきた。膨大な著作があり、「ソフト・エネルギー・パスから永続的な平和への道」、「ブリトルパワーから現代社会の脆弱性とエネルギー」、「スモール・イズ・プロフィタブル—分散型エネルギーが生む新しい利益」などが邦訳されている。
http://www.ecostation.gr.jp/interview/1996/6.html


この要約では触れてない、ロビンズ氏の発言の中にあった部分を何点か。


・「火力発電は、別に石油を使うわけではない。輸送燃料には向かない、原油の下に溜ったドロドロの部分(廃油)を使うのだ」

・(インタビューア)20日に就任する「オバマ次期大統領は、米原子力発電最大手エクセロンという電力会社から強いバックアップ(大口献金)を受けているため、原発を推進している」



なるほど、そんなステークを負っているんだ、オバマも。献金は、インターネットを通じて、市民から直接もらうだけとばかり思ってたのに、残念で仕方ない。。見ていて、思うが、このインタビューアの発言(ツッコミ)がいつも激し過ぎて気持ちいいw



それと、何気なく、YouTubeを徘徊していたら、Steve Jobsの演説が胸をうったのだった。




ほんとにアメリカって国は、良いものは良過ぎるし、悪いものは悪過ぎる。
加藤周一が、20世紀を振り返って技術革新は、人間に「巨大な恩恵と巨大な破壊」をもたらした。つまり「人間に対しはかりしれない利益とともに途方もない損害(の少なくとも可能性)を与える」と述懐しているが、まさに「巨大な恩恵と巨大な破壊」を具現しているのはアメリカであり、「人間に対しはかりしれない利益とともに途方もない損害(の少なくとも可能性)を与え」ているのは核なのだろう。


パラドキシカル。